【徹底解説】『移動する人はうまくいく』が教える環境を変えることで人生が動き出す理由

高橋くん、最近ちょっと元気がないように見えるけど、何かあったのかな?

いやぁ先輩、この前筋トレ始めたんですけど、結局3日でやめちゃって…。
またいつもの生活に戻っちゃったんですよ。
やる気だけじゃダメなんですかねぇ。

なるほど…。確かに意思の力だけで続けるのは難しいものですよね。
そういう時は環境を変えることが大きな助けになるんだ。
ちょうど最近読んだ『移動する人はうまくいく』という本があってね。

移動する人?そんな本あるんですか?どんな内容なんです?

一言で言うと、人生を変えたいなら“意思”ではなく“環境”を変えなさい、ということなんだ。
著者の長倉さん自身も移動を続けて収入やチャンスを広げてきたそうだよ。

えぇ〜!
じゃあ僕も筋トレジムの近くに引っ越したら、腹筋割れちゃいますかね!?笑

ふふ、可能性はあるかもしれないね。
大事なのは、自分を無理なく続けられる環境に置くこと。
小さな旅行からでもいいし、新しい場所で挑戦してみるのもきっと刺激になると思うよ。

なるほど〜!その本、めちゃくちゃ気になります!先輩、もっと詳しく教えてください!

今回紹介する本はこちら

移動する人はうまくいく【著:長倉顕太】

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

移動する人はうまくいく [ 長倉顕太 ]
価格:1,650円(税込、送料無料) (2025/10/8時点)


今回は、作家であり編集者でもある長倉顕太さんの著書『移動する人はうまくいく』をご紹介します。
この本は、一言で言えば「移動して環境を変えることの大切さ」を教えてくれる一冊です。

私たちの人生において、環境を変えることがどれほど大きな意味を持つのか、深く気づかされる内容になっています。

多くの人が抱える悩み

多くの人が「人生を変えたい」と願い、勉強を始めたり、副業に取り組んだりします。

しかし、どうでしょうか。
数日後にはモチベーションを失って挫折し、結局はいつもと同じ、気分の上がらない日常に戻ってしまう。
そんな経験はないでしょうか。

実際、私も筋トレを始めたものの、3日坊主で終わってしまったことがあります。
これは決して特別なことではありません。
むしろ、多くの人が同じように経験する、ごく自然なことなのです。

なぜなら、人は一時的なモチベーションや意思の力だけでは長く続けることが難しいからです。
気合いややる気で何かをやり遂げられる人は、実はほんの一握りしかいません。

では、どうすればよかったのか。
答えはシンプルです。

「意思ではなく、環境を変えること」です。

大前研一氏の有名な言葉

経営コンサルタントとして知られる大前研一さんの有名な言葉に、こういうものがあります。

人間が変わる方法は3つしかない。

1つ目は、時間配分を変えること。
2つ目は、住む場所を変えること。
3つ目は、付き合う人を変えること。

そして、この3つを一気に変えてしまう方法こそが、「移動して環境をガラッと変えること」なのです。

例えば筋トレを習慣化したいのであれば、「筋トレがしやすい環境」に自分を移動させてしまえばよかったわけです。

人間というのは、もともと環境に適応するようにできています。
だから、同じ環境にとどまりながら違う結果を求めるのは、非常に難しいのです。

著者自身が実践する「移動生活」

しかし、1つの場所に長くとどまっていると、どうしてもマンネリ化してしまいます。
だからこそ著者は、「とにかく移動し続けることが大切だ」と指摘しています。

長倉顕太さんご自身も、1つの場所に定住せず、ホノルルやサンフランシスコ、東京、大阪、京都などを行き来する生活を15年以上も続けてきました。
そして、移動を始めてから年収もどんどん上がっていったといいます。

私はこの話を聞いたとき、「環境を変えることには大きな可能性がある」と感じました。
環境を変えることは、単なる気分転換にとどまらず、人生そのものをより良い方向へと導く力になり得る、そう思わされたのです。

1つの場所に定住すると不幸になりやすい理由

ここで、本書から得られる最初の大切な学びをお伝えします。

それは「1つの場所に定住すると、選択肢が減って不幸になりやすい」ということです。

長倉さんは「人生の豊かさは選択肢の多さ」であると説いています。
選択肢を増やすことが、人生戦略において最も重要だというのです。

選択肢が少ないと、人は「もうダメだ」「これで終わりだ」と絶望しやすくなります。

例えば、ずっと日本にいると、日本の価値観に染まってしまいます。
ひとつの会社にとどまっていると「会社を辞めたら人生は終わりだ」と思うようになってしまったり、同じような友達とばかり過ごしていると「自分もマイホームを買わなければならない」といった狭い価値観に支配されてしまいます。

さらに、会社員が自分を犠牲にして働きすぎ、時に自ら命を絶ってしまうことがあるのも、選択肢が極端に少ないからだと考えられます。

しかし、移動して環境を変えれば話は違います。
視野が広がり、価値観も変わり、選択肢が一気に増えていく。

「こっちがダメならあっちに行けばいい」
「あっちがダメならそっちで試してみればいい」と思えるようになるのです。

実際、海外に出てみると、日本人にとっての常識が、世界では非常識であることに気づかされます。
逆に、日本の治安やサービスの良さに感謝できることもある。
そうした経験を通じて、私たちは大きく成長できるのです。

だからこそ、人生を豊かにするためには「環境を変え、新しい経験をし続けること」が必要です。
まず覚えておいていただきたいのは、「1つの場所に定住すると選択肢が減り、不幸になりやすくなる」ということです。

移動すると能力が開花する

次に大切な学びは、「移動すると能力が開花し、収入が上がる」ということです。

環境を変えることで脳がリフレッシュされ、活発に働き始めます。
実際に脳科学者の毛内拡さんは、脳は周囲の環境に応じて活発に働かせる部分を切り替えていると述べています。
特に旅行に出ると、その切り替えがはっきり起こるのだそうです。

たとえば、いつも通りの危険のない日常生活では「デフォルトモードネットワーク」という働きが活性化し、不要な情報を遮断して省エネ状態になります。

毎日使っている道を運転するとき、特に考えなくても安全に目的地に着けるのはこの働きのおかげです。
しかし、それは同時に「脳が省エネモードになっている状態」でもあります。

一方で、旅行に出ると不慣れな環境や道、新しい出会いに直面します。
このとき活性化するのが「サリエンスネットワーク」と呼ばれる働きです。

周囲への注意が自然と高まり、脳は覚醒状態に切り替わります。
その結果、問題解決能力が上がり、気持ちも前向きで意欲的になるのです。

小説家がホテルに泊まって執筆する、あるいはプチ旅行をするのも、この脳の仕組みを利用していると考えられます。
普段と違う環境に身を置くことで、創造性や集中力が高まるのです。

著者自身も毎週のように東京、大阪、福岡を飛び回り、毎月アメリカと日本を行き来するようになってから収入が伸びたと語っています。

さらに思い起こせば、堀江貴文さんも「定住せず、常に移動しながら生活している」ことで知られています。
彼がまるでマグロのように止まらず活動し続けられる理由の一つは、この「移動による脳の覚醒」にあるのかもしれません。

つまり、毎日同じ環境にとどまっていると脳は慣れてしまい働かなくなる。
だからこそ、不慣れな環境に移動することで脳を意識的に覚醒させ、問題解決能力を高め、前向きな気持ちを生み出すことが重要なのです。
定期的に旅行を取り入れるだけでも、ビジネスや人生に大きなプラスをもたらしてくれるでしょう。

人が環境を変えられない理由

ここまで移動のメリットをお話ししましたが、ではなぜ多くの人は環境を変えられないのでしょうか。

その理由は、「安定や現状維持を強く求める気持ち」にあります。

安定を求めるのは自然なことです。
不安定な環境に身を置くのは誰だって怖いもの。
けれど、この安定志向が過剰になると、人は動けなくなります。
特に日本人はその傾向が強いといえるでしょう。

中高生がなりたい職業の1位が「公務員」であること、パスポート取得率がわずか17%しかないこと、そしていまだに「会社員=安定」と考える人が多いこと。
これらはすべて、日本人がいかに安定を重んじるかを示しています。

しかし、その結果はどうでしょうか。
多くの人が毎日同じ場所で同じことを繰り返し、「なんだかつまらない」と退屈を感じています。

つまらない理由は、安定を求めすぎているからです。
安定とは、裏を返せば「変化も驚きもない状態」。
だから退屈になってしまうのです。

もちろん、安定や安全を求める気持ちは理解できます。
変化にはリスクがつきものです。
しかし今の時代、適度にリスクを取る人の方が大きな成果を得やすいのです。

適度なリスクが人生を豊かにする

たとえば、一つの会社にずっと勤め続ける人、貯金ばかりに頼る人よりも、勢いのあるスタートアップに転職する人やインデックス投資を始める人、副業に挑戦する人の方が、効率的に資産を築けることが多いのです。

もちろん、無謀なリスクを取れと言っているわけではありません。
大切なのは「適度なリスクを受け入れること」です。
その方が人生は新鮮で楽しくなる。

もし治安が気になるなら、まずは韓国や台湾、ハワイ、シンガポール、フィンランドといった比較的安全な場所に旅行してみるのがいいでしょう。

長倉顕太さんは、本書の中で「安定思考を捨て、とにかく移動し続けること」を強くすすめています。

覚えておいていただきたいのは、「安定や現状維持を強く求める気持ちこそが、環境を変えるのを阻んでいる」ということです。

年4回は海外へ、年4回は国内旅行へ

ここからは、移動を生活に取り入れるために、具体的にやるべきことをお伝えします。

著者は本の中でいろいろな方法を紹介していますが、その中から特に重要だと思われるポイントを取り上げて解説していきます。

まず1つ目は、「年4回は海外へ、年4回は国内旅行へ行く」ということ。

長年同じ場所にとどまっていた人が、いきなり海外移住をするのは現実的に難しいでしょう。
そこでまずは旅行を通じて「移動する体質」を作るのです。

行き先としておすすめなのは、比較的治安の良い台湾や韓国、ハワイなど。
そして並行して国内旅行も年4回は行くことが望ましいとされています。

ここで大切なのは、「観光地を巡ること」ではありません。
移動そのものに意味があるので、海外なら1泊で帰ってきてもいいし、国内なら日帰り旅行でも十分です。

大切なのは、いつもと違う環境に自分を置くことです。

もし旅行が不安なら、月に1度だけ遠方のホテルに泊まることから始めても構いません。
小さな一歩を重ねることが、移動を習慣にする第一歩になります。

会社を辞めて独立する

2つ目は、「会社を辞めて独立する」ことです。

現実的に、年に8回旅行したり、二拠点生活をしたりするためには、時間とお金が必要になります。
そのため著者は「長くても1年以内には会社を辞めろ」と強い言葉で述べています。

これは極端に聞こえるかもしれません。
しかし、著者が言いたいのは「人生の豊かさは選択肢の多さ」であり、選択肢を増やすためには「誰と働くか」「どこで働くか」「いつ働くか」を自分で決められる環境に身を置く必要があるということです。

もちろん不安もあるでしょう。
ですが、いまや終身雇用制度は崩壊し、多くの人が努力しても給料が上がりにくい時代です。
そのうえ、税金や社会保険料は上昇し、会社員の手取りは減少し続けています。
安定を求めて会社員を続けることが、実は最大のリスクになっているのです。

独立の方法は人それぞれですが、著者は「コンテンツビジネス」をすすめています。YouTube、noteの記事、ポッドキャストなど、無料で始められる媒体を活用するのが良いでしょう。

もちろん、独立にはリスクが伴います。
向いていない人もいるので、慎重に検討しましょう。
しかし「会社員=安定」という思い込みは危険です。
独立に挑戦する姿勢そのものが、人生に新しい可能性をもたらしてくれます。

移動しながら仕事をする

3つ目は、「移動しながら仕事をする」ことです。

今の時代、スマートフォンやノートPC、そしてネット環境さえあれば、場所を問わずに仕事ができます。
著者自身も、新幹線に乗る際にあえて「こだま」を選び、移動時間を仕事に充てています。

堀江貴文さんも同様に、移動中や待ち時間を活用して効率的に仕事を進めているといいます。

実際、移動中は仕事のスイッチを切り替えやすく、集中しやすいという利点があります。
「旅行中だから仕事ができない」のではなく、「旅行中だからこそ効率的に仕事ができる」という考え方を持つことが重要です。

毎日同じ時間に同じことをする

4つ目は、「毎日同じ時間に同じことをする」ことです。

成果を出すためには、継続力が欠かせません。
たとえ移動しながらでも「毎日同じ時間に同じ行動を習慣化する」ことが大切なのです。

著者は日本にいるとき、朝6時に起きてカフェで仕事をしていました。
そして旅行先でも、スターバックスやホテルのラウンジで、同じように朝の時間を使って仕事を続けていたといいます。

重要なのは「何をするか」ではなく「継続そのもの」です。
SNSに毎日投稿する、日記をつけるなど、小さなことでも構いません。
行動を習慣化することで、必ず結果につながっていきます。

考えすぎずに見切り発車する

5つ目は、「考えすぎずに見切り発車する」ことです。

多くの人はリスクや失敗を恐れ、行動に移すまでに時間をかけすぎてしまいます。
しかし、どれほど準備をしても、物事は最初からうまくいくことはありません。
必ずどこかで軌道修正が必要になるのです。

であれば、とにかく始めてしまった方がいい。
小さな旅行でも、日帰りの遠出でも構いません。
実際に行動することで、不足しているものや改善点が自然と見えてきます。

考えすぎず、とりあえず動く。
この姿勢が人生を切り開く原動力になります。

まとめ

ここまでを整理すると、次のようになります。

  • 人生を変えるには「意思」ではなく「環境」を変えることが大切。
  • 1つの場所に定住すると選択肢が減り、不幸になりやすい。
  • 移動すると脳が活性化し、収入や可能性も広がる。
  • 環境を変えられないのは、安定や現状維持を求めすぎるから。

そして、具体的にやるべきことは次の5つです。

  1. 年4回は海外へ、年4回は国内旅行へ行く
  2. 会社を辞めて独立する
  3. 移動しながら仕事をする
  4. 毎日同じ時間に同じことをする
  5. 考えすぎずに見切り発車する

さらに本書では「初体験をし続けること」が強調されています。

旅行する際も、いつもと同じ場所ではなく、できる限り新しい土地やホテルに行くこと。
初体験の積み重ねが、脳を活性化させ、人生を豊かにしていくのです。

人生の豊かさは、選択肢の多さに比例します。

だからこそ、新しい環境に身を置き、初めての経験を積み重ねることを大切にしていただきたいと思います。